時期によって、車をスクラップした時に貰えるお金は変わる?
かなりの走行距離がある車、古い年代の車で価値の付かない車、事故車、動かない車などを「廃車」と言います。車としての価値は0円でも、廃車業者の査定では値段が付く場合があります。その理由と、いつ売却したら良いかについて紹介します。
スクラップ車の鉄としての価値とは?
買取価格査定が0円の廃車であっても、廃車業者に査定してもらった場合、値段が付く場合があります。その理由は鉄の金属としての価値があるからです。車をスクラップして解体するときに分別される鉄は、国内外の製造業で再利用されることになります。車の重量のおよそ半分は鉄が使われています。普通車の重量は1,600kgぐらいですので、およそ800kgの鉄が使われていることになります。2016年2月の鉄の価格は14,400円/tですので(日本鉄リサイクル工業会)、単純に計算すると800kg×14.4円/kg=11,520円の価格が付くことになります。ただ、鉄の価値だけでは、廃車費用を考えると売却した場合に利益は出ないかもしれません。
スクラップ車には鉄以外の価値はないの?
スクラップする車の価値は鉄だけではありません。車には鉄以外にも多くの素材や部品が使われているからです。タイヤやホイール、バンパー、バッテリーなどの再利用できる部品が数多くあります。これらの部品は洗浄されて、エンジンなどの稼働部品は検査後に問題なければ再利用されます。ガラス、アルミなどの素材もリサイクルが可能です。素材や部品の価値というのは、車の走行距離や年式、故障・修理履歴によって影響を受けません。ディーラーによる下取りは車が動くことが前提であり、走行車としての価値はない車であっても、車として再販するか素材や部品を分別して再販するかによって全く違う査定結果となります。どのような状態の車であっても廃車買取業者が買取りする理由はそこにあります。
いつ廃車に出せばお得なの?
たとえスクラップされる車でも、鉄や部品に価値があると分かれば、その価格が高い時期に売却できるに越したことはありません。そこでまず、鉄の相場変動についてですが、年間を通して価格の高い時期や安い時期というのは読み取ることができません。ただ、海外の需要に大きな影響を受けることははっきりしています。北京オリンピックの年は鉄の価格は高値でした。次に部品の相場についてです。こちらは中古車輸出市場に影響を受ける部分が多いです。輸出が増えるのは、通常春から秋にかけてです。海外のバイヤーは輸入の際に輸入税を払いますが、その関税の変動がある12月から翌年1月ぐらいはバイヤーが輸入を控える傾向があります。需要が減れば相場は下落することとなります。廃車売却のお得なタイミングというのは正確には分かりません。ただ、価格変動の要因である市場動向について普段から注意を払っておくことが、高い価格での売却につながるでしょう。